結婚、離婚、結婚の10年間。

22歳から32歳までの出来事を記録しておく。


なるべく若いうちに結婚をしたい。と思っていた俺は、当時同じ劇団に所属していた女性と結婚をした。1999年8月 22歳だった。

翌年に子供が産まれた。俺は幸せだった。

経済的には、その頃はまだ低収入だったため、いろいろと苦労は多かった。
俺のこづかいは月に2万円だった。

嫁は、少ない給料でいろいろとやりくりをしてくれていたが、彼女は完璧すぎる主婦だった。

トイレの換気扇のスイッチをこまめに切る事や、ごはんのラップの包み方、ジップロックの閉じ方などなど・・・彼女がやれている事を俺がしないと、それは「ミス」となり、何度も叱責された。

そのミスの積み重ねからか、彼女は、雪だるま式に俺を嫌いになっていったようだ。
「一挙手一投足がイライラする」「一緒の墓に入りたくない」とまで言われた。

ある夏の日、俺は家出をした。
その時は「この家にいたくない」という感情が、ある境界線を超えた感じだった。
こんな感情になったのは初めてだった。

きっかけは、ホームセンターで買った室内用の物干竿セットの部品が足りず、俺が店へ電話をかけたが、電話を切った後にソファの下からその部品がでてきた。
という事の顛末を傍で見ていた彼女がイライラして、俺に何かを言った。

なんと言ったか記憶に無いが、ものすごいストレスを感じたのは覚えている。
まだ立てるようになって間もない息子が視界に入ったのも覚えている。

14時ぐらいに何も持たずに家を飛び出し、30分ほど歩いたところにある公園にずっと寝そべっていた。

深夜に帰ってきたが、さすがに心配して俺の実家にも連絡をしていたようだ。
親にはずっと迷惑をかけっぱなしだ。

これで少し関係は改善するかと思われたが、1年後には俺は彼女の判が押印された離婚届をつきつけられていた。

それでも、何度も「結婚なんてこんなもんだ」と説得をしたが、結局俺は判を押した。
2003年の8月だった。

彼女と息子が家を出た後、俺はしばらくその家で一人暮らした。


(ここからは、誰にも言っていない事を書く。)

隣の部屋には同じ世代の若い夫婦が住んでいて、
同い年の子供もいる関係で、子供を預けたり預かったりと、いろいろと仲良くしていた。

特に嫁同士は仲が良かったようだ。

一人で暮らすようになって、しばらくしたある日、隣の奥さんとばったり会った。

この離婚についていろいろ話をしたが、ひとつ解った事がある。
嫁はどうも当時所属していた劇団に「気になる男がいる」という事を前から隣の奥さんに言っていたらしい。

その時、隣の奥さんは「このままで良いのか?」という事を俺に言ったが、当時の俺は、精根疲れ果てていて「もう、どうでもいいよ。」と言ったのを覚えている。

2年後、彼女はその男と結婚した。

その知らせを聞いたときも、本当にどうでもよかった。

そして「二度と結婚はしない」と決めた。


2004年2月、俺は会社の近くのマンションに引っ越した。

まず、ダイエットをした。
「早く忘れたい」が転じて「変わりたい」という気持ちがあったと思う。

半年で15キロぐらい痩せた。服装もちょっとこだわった。
見た目がずいぶん変わった俺は、少し変われた気がした。


新しい街には友達が居ないので、友達を作ろうと思った。
たまたまネットで見つけた、地元の飲み会サークルに入ってみた。

そこで知り合った仲間とは、毎週のように誰かが声かけて飲んでいた。
年齢性別職業問わず、いろんな人と話をして本当に楽しかった。
結婚していた時に比べると、まさに別世界だった。


妻の やすよ とはそこで出会った。
彼女の第一印象は「ずいぶんフワフワしているな」だった。
いままでに出会った事の無いタイプ。

だが、その時は「不思議な友達」という感じで、特別な感情は抱かなかった。


月日は過ぎ、ある時期から彼女と接する頻度が多くなった。

離婚して以来、俺は女性に対して少し恐怖感を抱いていた。
特定の女性とある程度親しくなっても、途中から怖くなり自分から離れて行く事もあった。

しかし、彼女との距離が日に日に近づいても、彼女に対して、その「恐怖感」が湧いて来る事は無かった。

俺はちゃんと付き合う事にした。が、正直自信は無かった。迷いはあった。

ひどい話だが「結婚はしたくない」と、付き合う前から皆に言っていたため、同じ事を彼女にも言っていた。

2年と数ヶ月後、プロポーズする直前までそれを言っていたのは、もはや「意地」だったと思う。「この人は前の人とは違う」という事はずいぶん前から解っていたし、「一生この人を失いたくない」とさえ思っていた。


2007年11月入籍。翌年の11月には結婚式も挙げた。

現在2009年 32歳。

来月は東京に引っ越し。

この引っ越しは、新たな10年間の幕開けのような気がしてならない。

10年後にこのような記録を書こうと思う。



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