父のこと

1月24日の13時過ぎ、父は静かに息を引き取った。肺がんだった。

がんの宣告を受けた日だったか、病院から自宅へ送る車の中で、父は「こげな事で死んでたまるか。」とつぶやいた。

それから一年余りの闘病生活の中、父は泣くことも怒ることも暴れることもなく、いつもと変わらない、穏やかで優しい父だった。

みんなのために休みなく働く父は、「辛い」とか「辞めたい」とかそういう弱音を吐かない人だった。子供の前で自分の感情を露わにしたこともほとんどない。だから「こげな事で死んでたまるか。」という言葉を吐いた時は、本当に悔しかったのだと思う。

父がどのようにして死ぬことを受け入れたのかわからないけど、辛かっただろうし、怖かっただろう。痛みや苦しみが無かったのが不幸中の幸いだった。


悲しいけれど、今は感謝の気持ちでいっぱいだ。父が元気だったら、あんなに父の手を握る事もなかったと思う。

奇しくも翌日の1月25日は僕の誕生日だ。

お父さん、これから先は、毎年お父さんのことを思ってから1つ年を重ねるというのも悪くないと思うよ。

ありがとう。


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