2014/03/27

僕がKindleで本を買わなくなった理由

子供たちには、いろんな本をたくさん読んで欲しいと思っている。

これまで出会った人の中で、この人おもしろい!と思った人は、たいてい本好きだ。しかもいろんな本を読んでいるようだ。某本屋の「本は心のご飯です」じゃないけど、読書がその人に与える影響は大きい。

ここで大事なのは、いろんな本を読んでいる。という事だ。偏ったジャンルや思想の本ばかり読んでいると思考も偏り、視野が狭くなっていく気がする。だから、子供たちにはいろんなジャンルの本を読んで欲しい。

ただ、子どもに「この本を読め」と言うのもあまりに一方的だ。そこで、子どもにも読ませたい良い本に出会ったら、家の本棚に残していく事にした。そしてその本棚は、いつも子供たちの目につく場所、そう、リビングにあるのがいい。これを「ウチ図書」と呼ぶことにした。

あたりまえだけど、本の背表紙はタイトルが書かれてある。リビングでいつも何気なく目にするタイトルは、最初は興味がなくても、子供たちの成長過程の中で、いつの日か「読んでみようかな」と思わせる存在になるかもしれない。これが親の書斎の本棚だったら「親(大人)の本」というイメージとなり、手にとる事もおろか、存在すら知らないという事になるかもしれない。

ウチ図書は、今の電子書籍では不可能だ。一時期はすべての蔵書をkindleに入れよう。なんて思っていたけど、やめた。これがkindleで本を買わなくなった理由だ。

そしてもう一つのウチ図書のメリットは、子供たちが自分の親の事について、客観的に知ることができるという事だ。ウチ図書には、自分が読むソフトウェア関連の技術書や趣味のカメラ雑誌、妻が買った料理や育児の本、好きな作家の小説も置いておく。そうすることで、子供たちは自分の親がどんな仕事をしていて、何に興味を持っているのか知ることができる。

そんなことしなくても、普段の生活や会話でわかるやん。と思うかもしれない。もちろん会話も大切だけど、ウチ図書は両親のパーソナリティを裏付ける物的証拠となり、それは子供たちに良い影響を与えると思っている。親が「俺はこういう人間だ」と言うよりも、親の知らないところで「親はこういう人間なんだ」と子が知る(発見する)事も重要な経験なんじゃないかと思う。

先日読んだ「その日の前に」という小説で、病気の母とそれを心配する高校生の息子が、自宅の「家庭の医学」という本を介してコミュニケーションする(母の病状を知る)シーンがあって、まさにこのシチュエーションだな。と思った。(病気はやだけど)

逆に子供には触れさせたくない本はkindleで。という具合がよいかもしれない。

いつの日か「電子本棚」が出たら蔵書を電子化するかも。